Q33 日本に帰国したら鼻炎にかかりました。トラウマになりそうです。

Q33　日本に帰国したら鼻炎にかかりました。８年間治っていたのに、今後日本に帰国する度に鼻炎にかかるんかと思うとトラウマになりそうです。鼻炎と風邪の違いを教えてください？

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A33　出だしから誤字がある鷹の目の答え

つき昨日、鷹の目も風邪をひいていました。
風邪とは、野口晴哉の言を待つまでもなく、身体の浄化作用に他なりません。風邪の効用というものがあるのです。詳しく知りたい方は野口先生のご著書をご拝見なさってください。

風邪はひくものです。
ひいてしまうものです。
気がつけば既にひいてしまっているのです。
ぐす、ハクション、あれ風邪かな。
この「あれ風邪かな」とあなたが発言した瞬間から、あなたの内面で密かに進行するおだやかな感情に気づいていますか？
あなたは、風邪をひきました。まだ熱はないです。あなたは、熱が出ないといいなと思い、仕事に支障が出ることを心配します。遊びに予定をキャンセルすべきか迷います。しかしあなたは予感しています。きっとそれはやってくるであろうことを。あなたは諸活動を控えめにして２，３日様子を見ます。しかしそれはやはりやって来るのです。
ある日の夜中に、汗をびっしょりとかいて目が覚めます。あなたはしっかりと発熱しています。あなたはついに来たかと落胆し、けれどもどこか安堵し、うやうやしく体温計を脇にはさみます。ピピピピ、38.5C。どうやら本格化しそうです。あなたは季節はずれの氷を作りはじめます。明日の朝まではこのまま寝るしかないだろう。朝になっても熱が下がらなければ病院でも行ってみるか。あなたはじっとりと粘着性の寝汗につつまれながら、晩秋の熱帯夜へと帰っていくのです。

しかしあなたは、この発熱のさなかに、予感するのです。いや、ただ経験上、身体特性上、わかっているのです。
この風邪もまた、月が半分欠けるころには自分のもとを去っていくだろうことを。

そうです。風邪は、薬を飲んでも飲まなくても、だいたい２週間で過ぎさっていくのです。
そして後に残されるのは、すっきり健やかな秋の空のように晴れあがった、ベビーの肌の張りをつかのま取り戻したかのような、無垢な身体です。風邪の効用です。

このように風邪は、それがウイルスなのか何なのか知りませんが、身体を一新する。リフレッシュするという役割を担ってます。定期的に風邪を引くからだは健全な体といえます。
そして、そんなカゼの又三郎があなたに告げにきたことは、あなた、ちょっとペースを変えなさい。なにか少し現状に無理があるようですから、生活を見なおしなさい。ということだったのです。

あなたはカゼのおかげで仕事を休み、毎夜毎夜のビール大会を控え、微熱のせいで難しいことを考えることができず、ひたすらボーっとした数日間を過ごすことができたのです。そして、無垢になった身体は、それまでのあなたの生活を驚きをもって見つめ、あんた、これはやりすぎだったのではないか、と問いかけてくるというわけなのです。

あなたは少し生活を見直すことができました。また前へ進んでいくことができるでしょう。


で、鼻炎です。
鼻炎は、これは、永遠の抵抗現象です。

風邪はひくもの。ひいてしまうもの。すでに受け入れたものです。
鼻炎はかかるもの、まだ受け入れていないもの、いや、むしろ、受け入れないぞという抵抗活動そのものといった様相なのです。

わかりますか。鼻炎は抵抗活動なのです。抵抗真っ最中なのです。
バリケート封鎖なのです。拡声器なのです。我々は断固拒否する！なのです。

どうしても受け入れられないもの、同化したくないもの、体を通過させたくないもの、そういうものと戦っているのですよ、あなたは。それが鼻炎です。鼻が前哨戦を戦ってくれているのです。此処から先は一歩も通さじ、なのです。

自分が少し生まれ変わることによってサバイブする身体を調整する。それが風邪だとしたら、
もはやこの環境にはいられない、なんとかもちこたえているがこの環境を抜けだしたほうがいいぞ、というアラートが鳴りっぱなしなのが鼻炎なのです。

もう何も言うことはないようです。

かくゆう鷹の目も、１４歳のころから鼻炎に悩まされてきました。最近少しはましになったのでしょうか。それにはあとおもう少し経過を見守る必要がありそうです。

あなたもお体をお大事にしてください。

敬具


鷹の目Q&Aとは.......> アルヨプロジェクトの頭脳伊藤鷹があらゆる質問に答えていくかもしれないものである。誤字脱字が多いのはそういう年頃だからである。風邪になったらすぐにクスリ飲んじゃうというあなたにこそ読んでほしい野口先生の本はこれ↓である。



『風邪の効用 (ちくま文庫)』野口晴或